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世界の米軍基地と 平和への権利――サビア弁護士講演会・報告

イタリアから ミコル・サビア弁護士(IADL) 緊急来日―講演会報告

 2017年10月31日沖縄・那覇、11月2日愛知・名古屋、4日東京・飯田橋でイタリアから来日してくださった国際民主法律家協会(IADL)・ミコル・サビア(Micol Savia)弁護士が講演を行いました。サビア弁護士は、平和への権利を国連宣言にするために尽力してきたメンバーの一人です。

 今回の講演は、「平和への権利・国連宣言」が日本国内の抱える諸問題を解決するためにはどのように活かされていくべきか、という問題意識のもと、米軍基地の存在が“Security”の名を隠れ蓑にして「すべての人が……平和を享受する権利」を侵害していることを訴えました。北朝鮮問題を加熱報道し、国家安全保障を強化することにより更に国家間の軍事的緊張を高めていることは、平和を希求する人々の人権を侵害しているのです。ヨーロッパのNATO加盟国はロシアや中国などを包囲するように軍事基地を配備し、東アジア同様に国家間の軍事的緊張を高めている状態なのです。イタリアではNATOに加盟しているため、NATO軍もイタリア国内の軍事基地を利用することができます。しかし、その地位協定の内容は非公式であます。福島原発後、原発を廃止する決断をしたイタリア国民は今も変わらず、核の恐怖に曝され、基地周辺に住む市民たちは日本で基地周辺に暮らしている人々と同じように恐怖を感じながら生活を強いられているのです。

 サビア弁護士は米軍の世界的な基地拡大の問題は日本だけの問題ではなく、イタリアや韓国なども多くの類似問題を抱えていることからも、共に闘っていくべき平和への権利の問題であることを示唆してくださいました。

★カンパに関する御礼★

 このたびの講演会を開催するにあたり、たくさんの市民の方々に参加していただいたこと、心より感謝申し上げます。また、参加をしてくださるだけでなく、本当に多くの市民の方々からこの講演会を成功させるため、寄付金を頂戴致しました。この場を借りて御礼を申し上げます。皆さま方のご支援により、この講演会を無事成功させることができたこと、これも偏に皆さま方にご尽力いただいてこそでございます。我々一同、心より感謝申し上げます。市民一人ひとりが平和を人権として保有していることを忘れずに、これからも共に「平和への権利」を実現していくために、皆さま方のご支援・ご協力宜しくお願い申し上げます。

沖縄:10月31日 (火)

  ・開場/開演)午後6:20/6:40~

  ・参加費)500円

  ・主催)ネットワーク九条の会沖縄

      (那覇市桶川1-16-38 那覇第一法律事務所内沖縄県憲法普及協議

      会気付TEL 098-917-1088)

      日本国際法律家協会

      (東京都新宿区荒木町20-4-906 TEL 050-3637-8321)

​  ・会場)沖縄県男女共同参画センター【てぃるる】

  

  ・講演会の様子)

  サビア弁護士は、米軍基地の拡大状況は昨今に始まったことではなく、第2次世界大戦後、徐々にその数を増やし、現在においてもその数を減らすことはなく、約800もの米軍基地が世界中に蔓延っている状況を指摘しました。

 さらに、この米軍基地は国家安全保障の名のもとに人命を奪うような事件や事故を多く引き起こし、平和に生きるための人権を侵害している状況を語りました。イタリアにおいてもその状況は深刻であり、NATO加盟国各国の利益を保護するため、日本のように地位協定が公示されているわけではなく、基地そのものがどこに位置しているかも分からない状況が国民の権利を侵害していることも指摘しておりました。

 沖縄における米軍基地反対運動は軍事主義に対する抵抗そのものであり、サビア弁護士自身を含め、世界中の人々が励まされている事実があることも述べました。米軍基地の「新植民地主義」は、イタリアにおいても日本においても人権侵害は同じように生じている現実であり、だからこそ、人権としての平和を共に国連人権理事会に訴えていきたいと市民に呼びかけました。

​  

名古屋:11月2日(木)

  ・開場/開演)午後6時/6時半~8時半

  ・会場)イーブルなごや 視聴覚室

     ・参加費)800円

  ・主催)名古屋学院大学平和学研究会

  ・共催)日本国際法律家協会東海支部/戦争をさせない1000人委員会 

      あいち/不戦へのネットワーク 

  ・連絡先)名古屋市那古野1-44-17嶋田ビル203

  ・TEL)050-3593-5130        

  ・Email)husen(@)jca.apc.org 

  ・WEB)http://www.jca.apc.org/~husen

 

・講演会の様子

 

 「世界の米軍基地と平和への権利/イタリアの地位協定から考える日本の地位協定」というプログラムのもと、サビア弁護士がイタリアの抱える米軍基地問題について言及しました。イタリアでは、第2次世界大戦後1949年にNATO加盟国となりました。しかし、イタリアではNATO軍とイタリア間で締結されている地位協定は極秘事項とされ、基地の正確な場所を把握することも困難であり、イタリア国民は日本国民のように反対を訴えることすら難しい状況にあることを述べました。そのためサビア弁護士は、沖縄を訪れた際に多くのメディアが米軍基地を撮影していることや、子どもたちの教育の一環として軍事基地を見学している姿には大変驚いたと言います。イタリアの状況は、日本と同様に地域住民の市民権、政治的権利、更には主権を侵害する深刻な問題が内在していることを訴えました。

 また、実際にイタリアで起こった米軍による事故・事件を紹介し人命を奪う危険な状況は日本が抱えている国家安全保障に対する状況と同じであることを訴えました。

 地位協定の問題は非常にテクニカルな問題を内包しているにも関わらず、名古屋では多くの市民の方々が関心を持ち、参加してくださったことに感謝していると仰っておりました。

 名古屋学院大学・飯島滋明教授も、日本の「日米地位協定」に関する具体的な問題を一つ一つ紐解いてくださいました。オスプレイの飛来などには極めて不利な運用や解決がなされていることや、在日米軍人による犯罪の刑事裁判権の不合理性の問題にも触れ、密約問題や国会答弁での各議員の発言の裏に隠された日米軍事の意図までも言及し、法的問題と政治的問題を明確にすることで我々市民がどのようにしてこの軍事問題に対抗していくべきかを示唆してくださいました。

​ また、サビア弁護士の言葉を借りつつ、「米軍基地は最悪の形のガン」であり、「世界中への転移」を食い止めるためにも、平和への権利が国連宣言として日本国内においても実効性をもつよう働きかけていくことが重要であると励ましの御言葉をいただきました。

東京:11 月4日(土)

 ・開場・開演)午後12時半/1時~4時半

 ・会場)東京集会会場

 

・講演会の様子

 

 呉東正彦弁護士からは横須賀基地の原潜問題のご講演をいただきました。非核三原則を提言していながら横須賀には原子力空母ロナルド・レーガンなどが配備されており朝鮮半島や中国に対する威嚇ともとれるような状況であることや、今年8月にもマラッカ海峡当方でタンカーと衝突事故を起こしたイージス艦が配備されている危険性を訴えました。日本国民の多額の税金を軍事費負担として当てられ、米軍側の費用負担がほぼ無い状態であることや、基地周辺では「山崎裁判」で知られるように米軍による強盗殺人など多くの犯罪が蔓延っているにもかかわらず、米軍人の身柄引き渡しが実現しないという地位協定の抱える人権侵害問題についても言及しました。

 この講演を聴き、サビア弁護士は前日に横田基地を訪問しことも述べたうえで、日本の首都及び隣県に米国の首都ワシントンが存在しているような軍事基地を許すべきでない、と強く訴えました。

 また、世界で生じている米軍によって引き起こされた事件事故を詳細に扱い、日本の基地周辺住民の抱える人権侵害の現実は世界における基地周辺の住民が抱えている不安と同じであり、イタリアもその一つの国であることを述べました。イタリアと日本はファシズムという共通性をもち、第2次世界対戦で多くの罪を犯したかもしれないが、今はこの米軍基地撤廃という共通の目標を持ち、世界に対し平和を希求する両国として今一度共に闘う仲間として励ましあっていきたい。平和を作るのは国ではなく、国境を越えた我々、一人ひとりの市民であり、日本の人々も平和を求める権利を有している以上、平和に対する責任を担う一人であると訴えていました。

​ 集会報告集・集会報告DVDご希望の方

1口  2,000円からで、集会後に集会報告集を送らせていただきます。

1口  5,000円の方には、集会後に集会報告集+集会報告のDVDを送らせていただきます。

1口10,000円の方には、集会後に集会報告集+集会報告のDVD+平和への権利パンフレット+宣言採択を受けて、平和への権利を広げてくためのDVDを送らせていただきます。

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郵便振替口座:00170-4-504739 

口座名:平和への権利・日本実行委員会

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是非とも、ご協力宜しくお願い申し上げます。

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